ESSAY

うたぐすり~Best Selection 1会いたい

うたぐすり~Best Selection

「ココロとカラダに優しいうたぐすり」をテーマに歌セラピーコンサートと題して全国各地、歌の旅を巡っております。時には被災地の避難場所で歌わせて頂いたり、企業の周年記念コンサートや、文化事業、人権、学校行事、神社仏閣、病院、介護施設、レストラン、ライブハウス、ホテル、野外イベント等様々な場所で歌わせて頂いて来ました。思えばもう35年以上、パートナーでありキーボディストでマネージャーも兼ねたオールラウンドプレーヤーの小野澤篤と共に夫婦二人三脚で歌の修学旅行のように仕事を超えた学びと気づきと感動の人生を送って参りました。

恋の終わりが歌になった20代、「会いたい」を超えたいと挑んだ30代、「会いたい」に救われた40代、「会いたい」と寄り添った50代。そして60代を迎え、気づけば私は「会いたい」を伝える事が人生の道しるべとなりました。そして「歌」は心に効く薬になると実感しました。

ホスピスでは音楽療法も取り入れられておりますが、私自身が実践して感じてきた歌の力、効能をお伝えしたく、直球なタイトル「うたぐすり」とつけました。ここに解説をご紹介してみたいと思います。

1会いたい

「うたぐすり」の効能は心の浄化、デトックスとも言われています。

特に歌を聴いて流す涙はセロトニンという笑った時に分泌される「幸せホルモン」と同じ効能があるのです。そして歌詞のドラマやメッセージに共感して心を揺さぶられる時のカタルシスは2時間の映画を観た時に匹敵するほどです。もうそれだけで「歌のチカラ」の可能性は計り知れないと思いませんか・・・。「会いたい」のドラマは大切な人との突然の別れの歌です。つい昨日まで当り前だった幸せを突然奪われてしまった悲しみを、幸せだったシーンを悲しいメロディにのせた情景描写がまるで五分間の映画を観ているようなカタルシスという共鳴が起きるのだと思うのです。同じ体験がなくても心が共感できた時に自然と身体が反応するのが涙なんです。

それは心と体と魂が一致した時の「Yes」のサインとも言われています。

歌セラピーライブでは「今生でもう会えない大切な人に会いに行く時間旅行に参りましょう」とお願いをして、大切な方を鮮明に思い出して頂きます。その記憶の映像を鮮明に思い浮かべることで、祈りと同じパワーでその方へと繋がるのです。

歌の時間旅行はその方に「ありがとう」と伝える旅かもしれないし、「ごめんね」って言えなかった後悔を許しに行く旅かもしれません。一番大事なことは自分を許してあげること。

「うたぐすり」とは自己肯定感を上げるために過去の心の傷の修復をしてくれる魔法の薬なのかもしれません。「会いたい」が教えてくれた心の処方箋とも言えるライナーノーツを一曲づつ

ご紹介して行きますのでどうぞお付き合いくださいね。