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COOL JAPAN ~天心~
映画「天心」を観てきました。
はじめて映画の初日舞台挨拶なるイベントに参加してしまいました。クールジャパンのさきがけと言える日本美術界の先駆者「岡倉天心」役の竹中直人さんはじめ実在の日本画家を演じた役者の皆さまが舞台に上がりました。
茨城県の復興支援映画ということで文化庁の方もご挨拶をされました。天心が日本美術研究所として建てた六角堂は北茨城の五浦にあります。
岡倉天心を知るきっかけは
「千利休」の特集をしている日経おとなのOFFを新神戸駅の本屋さんで購入し、明治時代のアメリカで最初に日本文化の紹介として「茶の本」を英語で出版した人物こそが岡倉天心であることを知りました。
その雑誌で中谷美紀さんが和装で茶を点てる佇まいがあまりに美しく、映画「利休にたずねよ」に出演された話から、クールジャパンな心意気に感銘して、ぜひとも探求してみたくなったのです。
そもそも千利休特集のきっかけは「紅葉」でした。
私もようやく京都の紅葉を愛でたい年頃になったのです・・・しみじみ。
ちょうど12月のはじめに大阪公演があり、その後で京都に立ち寄ることになり、心は「京都」モードになっておりました。そこで見つけた「おとなのOFF」の紹介で、まず上野の国立博物館で「京都 洛中洛外図と障壁画の美」見つけ、また偶然にも前日に行ったばかりの道成寺の「日高川の安珍清姫ものがたり」をモチーフに描いた日本画家、小林古径の個展が広尾の山種美術館で今月いっぱい開催されているのを知り、
「これって、京都旅行の予習をしろってこと~?」とばかりにどちらとも足を運んでみたくなりました。
夫は「THE GOODーBYE」の30周年コンサートのリハーサルのため、今週は完全お一人様行動ということで、なんとまあ、お恥ずかしながら
はじめての「お一人様」美術館&博物館&映画鑑賞を体験しました。
実に充実したお一人様秋の文化祭。
芸術の秋どす。
気づくと「岡倉天心」というキーワードが偶然にも運命的にもクールジャパンの探求へと導いてくれていました。小林古径も天心が導いた日本が誇るべく日本画のアーチストの一人です。
そして天心が英語で出版した「茶の本」は千利休の魂が育まれた究極のおもてなし精神を世界へと知らしめています。
天心の存在を知ってこそ、「利休にたずねよ」の物語がまた一層味わい深く浸透してきます。
日本の芸術界の大プロデューサー「岡倉天心」は横山大観や下村観山、菱田春草、木村武山といった蒼々たる弟子たちの壮絶な貧困にも負けずに画に向き合う姿勢に、何度も投げかける言葉がありました。
「信じなさい・・・私ではなく、日本を。
日本という素晴らしい文化を」
明治時代は文明開化で西洋の美術や文化が怒濤のごとく日本に流れはじめた時代。
その中で日本画家としての価値を守り、より高貴に育てるためにはお互いに相当な覚悟が必要な時代でした。
この映画を観て、激動の時代を理解し、あらためて日本画の作品を観てみると、また味わい深い感動がこみ上げてくるものですね。
芸術を愛でるということは、そのアーチストの魂を感じることであり、敬愛を込めてその作品と向き合う側の精神をもブラッシュアップしてくれるのです。
アーチスト達はみな自身の作品と立ち向かい、もがきながら菩薩様への境地へと悟りを求め行く旅を止められないのです・・・これぞ天命。
その道先案何人が天心であったのでしょう・・・。
美しい日本を堪能して参りました。
ビバ!芸術の秋
京都の紅葉さん待っててね~~~!