BLOG ARCHIVE

歌セラピーin日高川町

和歌山県日高川町にあるホールで歌セラピーコンサートを行いました。
日高川町のパンフレットには「安珍清姫物語所縁の地」と書かれてあります。
日本に二番目に古い千手観音が奉られている道成寺こそ、安珍清姫物語の舞台となったお寺でございます。実際にお住職さまがこの物語を絵巻でお話してくださいました。
能や歌舞伎で有名な安珍清姫物語で、お住職いわく
「今で言うストーカー殺人事件の物語でございます」と、いうお話。
延長6年、熊野権現に参拝の途中、眞砂の庄司の家に一夜の宿を求めた僧、安珍。
その家の娘、清姫が安珍に懸想し、恋の炎を燃やし、裏切られたと知るや大蛇となって安珍を追い、最後には道成寺の鐘の中に逃げた安珍を焼き殺すという「安珍清姫物語」。
その悲恋物語は「法華験記」に記され、「道成寺もの」として能楽、人形浄瑠璃、歌舞伎でも演じられ、脈々と現代に語り継がれています。
恐ろしや・・・。
何が恐ろしいって、今と何も変わらないからです。
大蛇とはそんな形相な顔になってしまうほど、恋に狂ってしまうわけでしょ・・・。
哀しき一方通行な物語です。
その焼かれた鐘は今はございませんが、鐘の形をしたおまんじゅうとなって、名物となっておりました。
ご住職の絵巻読み聞かせは圧巻でございました。

コンサートは日高川交流センターという500名のキャパのホールを満員御礼で迎えて頂きました。
地元ボランティアスタッフが一生懸命手売りして下さった貴重な手作りコンサートです。
そんな皆さんとコンサート後には懇親会打ち上げがあり、日高川町の皆さんの優しいお人柄にふれあいました。このご縁を繋いでくださったのは、ベストアルバム「一期一会」のジャケットのカメラマン青木さんの奥さまの故郷ということでご尽力頂き、ましてやこの旅に家族で同行して頂きました。
ついでに我ら夫婦の結婚記念日でもありました。
そんな我らに素敵なことだまとなったのが、道成寺の掛け軸の言葉でした。

「妻宝極楽の偈」さいほうごくらくのげ

主婦は家庭の柱なり
わが妻こそ日本一なりと大切になしたまえば
家門の繁栄うたがいなく
極楽は西方の遠きのみならず
家庭すなわち妻宝極楽の浄土となりぬべし

親に孝行
子に慈愛
妻宝極楽
一家繁栄

なんとなんとありがたきお言葉でしょう・・・合掌