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冷や汗レコーディング

レコーディングの最後の仕上げである、TDトラックダウンという一つ一つの音質や音量やバランスを整える作業をその道の巨匠である梅津氏に毎度お願いしております。
音を仕上げるというのはとても大切な作業でありまして、私は梅津さんの音がとても大好きです。
髙橋真梨子さんは永いこと梅津さんとタッグを組んでおられるそうですが、歌がちゃんと届くような気がするのです。
そのTDが終わり、アルバムの曲順が決まると今度はCDなるためのマスタリングというさらにEQや曲間を何秒ほどあけるかなどを調整する作業があります。
このマスタリングも毎度ビクターのマスタリングセンターの小鐵さんという大巨匠にお願いしております。久しぶりにそのマスタリングに梅津さんも動向してくださるというので、巨匠同士の音のこだわりバトルなどがみれて楽しいな~なんて、わくわくしながら子安にあるマスタリングセンターへと出かけていったのでした。

ところが、その作業の途中で突然「あ~~~っ」と
ディレクターが声をあげたでした。
「大変なことを見つけてしまいました・・・・」汗
「辛島美登里さんのサイレント・イヴの詞が違ってました・・・・・」汗
「ためじゃなくて、せいなんです。」と、暗号のような会話が交わされる中、作業を止めて明日に延ばして頂いて、今晩中に歌を直すか、それとも、たった今帰って歌い直して戻ってくるか・・・・二つに一つ。
いずれにせよ、歌詞は直さないといけません。

「せっかく梅津さんが今いるのも運命ですよね。
今やり直してきます。」ということになり、大至急自宅スタジオに戻り、レコーディングとなったのでした。
夕方5時20分に出て、戻ったのが8時。
ものすごい勢いで歌い直して、結局なんなく間に合ってしまいました。
それにしても、大汗です。
辛島美登里さんとは今年コンサートをご一緒する予定になっており、そのご縁で今回カバーさせて頂くことになったわけで、歌詞が間違ったままでは面目がたちませんでした。
実はこんなミステイクがもう一曲ありました。
それは私が沖縄に行っている間にまたディレクターが気づいてくれて、帰ってからやり直しました。
それもたった一文字の間違いだったのですが、
コーラスを重ねていたので28本分歌い直したのでした。
カバーの落とし穴でした。
もっときちんと歌詞をチェックして歌うべきでした。
そんなおっちょこちょいな冷や汗レコーディングが
終わりました。
あとはCDとなって完成するのを待つばかり。
「歌姫ものがたり」というアルバムです。
少しずつ曲に込めた想いなど、ご紹介して参ります。
失敗があるほど想いが強まるものでございます。
失敗は成功の夢の種です。