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ビフテキ
今日は久しぶりに父と夫と3人でお墓参りに行きました。墓地一帯が桜の花見客でいっぱいでした。
満開だったらそれはそれは見事で、ご先祖様とともに花見を楽しめるというわけなんです。
祖父は盆栽が大好きで、100坪ぐらいの庭いっぱいに盆栽を栽培していました。桜の時期はよくお墓を手入れしに連れていかれました。
「死んだらお花見の時期はここがいいな」と冗談でなく本気でしみじみと言っていたロマンチックな祖父でした。そして帰りの車内では、必ずといっていいほど祖父は
「今日はビフテキでも食べて帰ろうか」と言います。
「ビフテキ」という単語が当たり前にあった時代です。
正直なところ、当時はそんなに牛が柔らかくなくて、
なんだかあまり美味しいと実感したことがないのですが、おじいちゃんがあんまり嬉しい顔で、「ビフテキ」と言うので、なんとなくお付き合いしないとな~という空気が漂うのでした。
誰一人としておじいちゃんの「ビフテキ!」という合い言葉に逆らうものはなく、祖父と共にビフテキを堪能したものです。
今日はなぜかそんなビフテキな祖父の話題で盛り上がり、三分咲きの桜を楽しみながら、
「この歳になるとやっぱビフテキって感じじゃないよね~~」となり、お寿司屋さんで大人食いしてきました。
「いや~孫達と、値段気にしながら寿司喰うのもいいけど、おまえたちと値段気にしないで喰う寿司はもっと旨いな~。ごちそうさま」
父はこう言い放っておりました。
なんとなく祖父に似た親父です。
わかりやすい父への親孝行な一日となりました。