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いしがきMUSIC FESTIVAL

いしがきMUSIC FESTIVAL2010が9月11日 岩手県盛岡の街 10数カ所で開催されました。
朝からずっと雨の音楽イベントでした。
雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ・・・宮沢賢治の足跡があふれる盛岡に若者のロックが鳴り響いていました。
唯一雨風しのぐ教育会館で行われた会場でラストを飾らせて頂きました。
会場いっぱいに集まってくださったお客様はみんなとても温かく、それはそれは幸せな時間でした。
気分は故郷に錦なライブでした。

岩手出身の母が里帰りをして、荒屋新町という小さな町で産声をあげた私は95歳になる母方の祖母ゆずりの声なんです。
夏祭りにはやぐらに上がって生歌を披露するほど歌うことが大好きな祖母でした。
今年の春、祖母の面倒をみていた長女であった伯母がこたつで眠るように亡くなりました。
そのままの伯母のとなりで3日も起きるのを待っていた認知症の祖母は衰弱して施設に入りました。
伯母が他界したことも知らずにいる祖母を訪ねて、そこでミニコンサートをしてきました。

Back Camera

「おばあちゃん・・ちかこだよ~!わかる?」
しばらくして、やっとこさ
「あ~ちかこか・・・なしてここさ来たんだ?」
「おばあちゃんに逢いに来たんだよ・・・」
すでに認知症も入っている祖母は、それでも私の歌を楽しそうに聴いてくれました。
集まってくださった介護の方もおじいちゃん、おばあちゃんも歌を聴いている顔がみんな笑顔でした。
歌を聴きながら、自分の孫だとしっかり認識した祖母は帰り際に
「おまえの歌も、来たこともすぐにみんなわすれてしまうんだよ・・・。あと少ししたら何も覚えてないよ・・・」

昔から祖母は元気いっぱいわがままいっぱいで、
母はよく反抗期の私のことを「おばあちゃんそっくり!」と言うのがお決まりの捨て科白でした・・笑

「おばあちゃん、文句ばかり言わないで、みなさんにかわいがってもらってよ・・・」
「な~に、文句を言うのがおれの仕事だ!」と
元気に笑い飛ばしていました。

Back Camera

「また来るからね! 生きててよ~!」 
気丈に祖母に手を振りながら、その姿が見えなくなった瞬間に涙が溢れて仕方ありません。
夫も静かに涙をためていました。
祖母にとってはもう記憶に残らない今日ですが、
私にとっては大切な今日でした。

岩手から宮城県の槻木へと移動し、一ヶ月前に89歳で他界された夫の伯母の家へと向かいました。
睦子おばさんの棺桶に私の先日8月15日のブログの
コピーとCDを入れてお見送りしてくださったそうです。
ちかちゃんが茄子ととうもろこしが好きだからと、とうもろこしの種を植えて育てて下さっていたにもかかわらず、収穫寸前に動物に全部食べられてしまったそうです。心臓の薬を飲み忘れて、暑い最中茄子を収穫しようと畑にでて、そこで亡くなっていたそうです。
もしかしたら送ってくださるつもりでいたのかなと想像すると胸が締め付けられるようでした。
睦子おばさんの茄子食べてみたかった・・・。

Back Camera

95歳で認知症になっている祖母のとなりで心筋梗塞で他界した76歳のたまおばさん。89歳で畑で倒れたまま帰らぬ人となった睦子おばさん。
死に様という言葉がありますが、飛ぶ鳥跡を濁さずにすっと逝ってしまったように思います。
確実に愛をいっぱい残して・・・・。