ESSAY
ココロとカラダに優しいチカラめし #24
スリランカ3
スリランカの旅はハプニングからのスタートでした。成田空港のカウンターで今回スリランカへ誘って下さったスポンサーであるFさんのパスポートが期限残り6ヶ月を2週間切っているという理由で、国際ルールにより搭乗出来なくなってしまいました。Fさんに全てを委ねて、おんぶに抱っこのスリランカの旅だった我らは成田空港で何とも言えない気持ちのままFさんを一人残して搭乗することになったのです。兎に角コロンボ空港では、今回の旅の運転と通訳のアテンドをしてくれるダンミカさんが待ってますから…と。そしてこのハプニングにより急遽NLBTI(日本語とITの大学)のクマーラ学長と内田教授もコロンボ空港で迎えてくれました。Fさんには申し訳ないほど飛行機は快適な9時間でした。「 国宝」上巻をゆっくり読めました。機内ではスリランカのウィスキーのようなアラックというココナッツの花蜜を発酵・蒸留したスピリッツを口にするともうその甘い香りがスリランカへと連れてってくれます。そしてカシューナッツ。カシューナッツ村と言われる道路沿いにカシューナッツ屋さんが並ぶエリアがある程、スリランカと言えばカシューナッツ!独特なスパイスが絡まって、もう他に何も要らないほどアラックと相性抜群です。そんなスリランカは「インドの涙」と言われる北海道の3分の2ほどの島国ですが、ブッダの歯が祀られている仏歯寺をはじめ世界遺産が10箇所もある美しい国です。かつてイギリスやスペインなどに統治されていたこともあり、ヨーロッパ風情が残るホテルも沢山あり、西洋医学発祥のドイツの人々が長い休みを利用してアーユルベーダの施術で病気を治しに来る程、ヨーロッパの人々の保養の地でもあるようです。また一山全域が紅茶畑だったり、サファイアやルビーなど宝石が採掘されたり、価値のあるここにしかないスパイスを求めて世界中からバイヤーがやってくるのです。日本ではキリンが広大な紅茶畑と契約しています。スリランカは今と昔のギャップが共存する摩訶不思議な魅力が溢れており、ハマる人は何度もリピーターになります。成田空港で足留めされたFさんもその一人で、ここ数年で8回行かれていました。またスリランカと言えばサリー。小乗仏教のオレンジ色の袈裟を纏った僧侶達も神々しく、思わず手を合わせてアーユボーワンと合掌してしまいます。20年前はまだ女性達の半分以上はサリーを着ていた印象がありましたが、今は学校の先生や年配の女性くらいで、結婚式に華やかなサリーを着るくらいだそうです。日本の着物と同じですね。今回のメインイベントは日本人会、日本大使館主催の盆踊りフェスティバルでのライブ出演で、スリランカの歌で若者たちにバズった「Manike mage hite マニケマゲヒテ」を一曲覚えて行きました。シンハラ語と内田教授がお書きになった日本語歌詞で歌ったのですが、お祭りでも大変盛り上がりました。国営TV放送にて「会いたい」「空を見上げてごらん」を歌ったり、NLBTI の優秀学生の表彰式でのプレゼンターとライブ、またMaha maha girls college school の慰問授業で生徒達と「故郷」を合唱したり、ここでも「マニケマゲヒテ」は盛り上がり、シンハラ語の歌のお陰で可愛いらしい歌声との交流となりました。またNLBTIの学生たちからの歌のプレゼント「空を見上げてごらん」でのお出迎えは涙腺崩壊でした。アーユルベーダは一度だけでしたが、それ以上に感動的なご縁の旅となりました。大満足な余韻に浸って成田空港に到着すると、なんとスポンサーFさんが迎えに来て下さっていて、言葉では言い尽くせない感謝をいっぱい伝えました。本当にありがとうございました。Fさん!次回はリベンジスリランカ参りましょうね!