ESSAY

ココロとカラダに優しいチカラめし #1

ココロとカラダに優しいチカラめし
#1 〜新幹線酒場と味噌煮込みうどん〜

心と身体にやさしい歌ぐすりコンサートをめぐりながら毎回思うことは、
歌でごはんを食べて来られたこの人生をしみじみ奇跡だと感謝の気持ちでいっぱいになります。
コンサートの後の達成感で乾杯するロング缶のプルトップを開けるあの「プシュ」という幸せな
音。近頃は必殺日帰りの歌旅が当たり前になり、打ち上げはもっぱら夫婦水入らずの新幹線酒場です。通常はご当地のお薦めお弁当と、駅のコンビニでレモンサワーロング缶かハイボール、さけるスモークチーズ、素焼きナッツ、あれば枝豆を買い込み準備万端。新幹線のホームで待ち時間が10分以上あればホームで弥栄です。全身全霊のコンサートで涙を流したり、微笑んでくれたお客様の温かい拍手の余韻をかみしめながら、ささやかな反省会をします。
特にトークを振り返ります。うたぐすりコンサートはある程度の楽曲が身体に染みこんでいるのですが、その場の空気で言い方を変えたり、時には楽曲も変えてピアノの夫にむちゃぶりをしでかします。時間厳守の会館では急遽楽曲をへらしたりするのですが、その辺の匙加減があ・うんの呼吸で絶妙に切り盛りしてくれるのが我が夫との夫婦善哉コンサート。
あの瞬間こうだった、ああだったとハプニングこそがつまみになるわけです。
新幹線に揺られながらのロング缶は2本分の勢いで酔いがまわります。ほろ酔いになると冒頭の想いがよぎるのです。「しみじみと奇跡」。長岡市長からも「24時間ほぼ一緒だなんて、奇跡の夫婦ですよ…」と呆れた顔で褒められましたもの。うれし恥ずかし仲良しコンビの珍道中。
たとえば先だっての中津川からの帰り、途中下車してでも食べたいのが名古屋の山本屋の味噌煮込みうどんです。いつもスタミナ味噌煮込みうどんを頼むのですが、ニラとモツのシマチョウが赤味噌の固い煮込みうどんに合うのです。ここは必ず行列ができており、著名な方もよく並んでまして、並ぶのが苦手な我らもやはり並んでも食べたいお店です。名古屋で時間がない時はお土産に味噌煮込みうどんの乾麺を買って自宅で鶏肉やニラで再現します。そして名古屋で30分という微妙な待ち時間の時は、新幹線のホームの住吉という立食いきしめんでかき揚げきしめんを食べてから新幹線に乗ります。時間があってもなくても、歌旅でのチカラめしは仲良く食べればなんでもチカラめしになってしまうのですね。チカージョのなげーちゃんからXでリクエストを頂いた「チカコのチカラめし」。第一回目、歌旅のチカラめしは新幹線酒場のロング缶(最近レモンサワーにはまってます。)と名古屋の山本屋のスタミナ味噌煮込みうどんでした。次回は台湾珍道中チカラめしです。お楽しみに!!!