ESSAY
ココロとカラダに優しいチカラめし #21
鳥羽から羽鳥湖畔へ
夏越の大祓(なごしのおおはらえ)
にっぽん丸を酒田港で下船して、翌日はエクシブ鳥羽で中西保志さんとのディナーコンサート、2ステージでした。不思議とまだ船にいるみたいに揺れている感覚で、フラフラと足がおぼつかない状態で歌いました。翌日はいざ福島県天栄村へ。11時に鳥羽駅を経ち、16時に新白河駅へ到着。な、ななんと改札口で中西圭三さんが私たち夫婦を迎えてくれました。「圭三さんが迎えに来てれるなんて!ゴージャス過ぎる」と興奮気味に移動の疲れも吹っ飛びました。素敵なレンタカーで圭三さんの運転でブリティッシュヒルズへと向かいました。圭三さんはもう天栄村とは何年ものお付き合いがあり、ご縁が深いという事で、羽鳥湖畔周辺の人工湖の辺りのキャンプ場などを案内して頂きながら、ゴルフコースや別荘地を抜けていよいよ目的地ブリティッシュヒルズへと山を上って行きました。そこはパスポートの要らないイギリス。まさにハリーポッターの物語の中へ入ったような広大なホテルであり、研修もできる異国情緒溢れる建物でした。前乗りの夜は圭三さんと3人で晩餐を堪能させて頂きました。それぞれの中西さんとのデュエットコーナーは至福の時間でした。6月30日は夏越の大祓(なごしのおおはらえ)なのだそうで、半年分の罪穢れを祓い後半の無病息災を祈る日という事で、京都での「夏越の祓」で欠かせないのが“水無月”という外郎(ういろう)の上に小豆をのせた和菓子で、三角形は氷を表し、小豆には魔除けの意味が込められているそうなのですが、割烹『山なり』では水無月に見立てたお椀物からはじまり、青梅一つに縫い針で千回穴を開けて煮た、口溶けの柔らかな青梅は翡翠の宝石の如く、大将の精魂込めた芸術品です。また半夏生(はんげしょう)という夏至から数えて11日めからの5日間にさす頃にタコを食べる風習が関西地方であるようで、『山なり』でもちゃんと蛸が乗っていました。この時期しか味わえない季節の風物詩を愛でる幸せが『山なり』では堪能できるのです。最後は二種類の土鍋炊き込みご飯はとうもろこしと太刀魚、桜海老とどちらもこの歌旅のご褒美となりました。めでたしめでたし!