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父の合唱発表会
人生七十古来稀なり・・・父が70歳を越えてはじめた混声合唱の発表会に招かれてしまいました。
「何曲歌うの?」
「2曲だ」
堺正章さんの「忘れ物」と和田あき子さんの「あの鐘を鳴らすのはあなた」 10分弱の父の発表会。
地元コーラスグループが30数組2曲ずつとなると、朝10時からはじまって、終わるころには夕暮れになっていることでしょう。
そのうちの数組、約1時間ではありましたが父と同じような世代の方々の合唱を聴かせて頂きました。
うまい下手が基準ではなく、どれだけ楽しんでいるか、どれだけ歌を好きかが伝わってくる発表会でした。 父の合唱は綺麗な先生が手取り足取りで、歌うパートをCDに焼いて耳で覚える練習法で、ハーモニーを覚えるのにも、先生のご配慮に脱帽です。
ましてや、その楽しそうな歌い顔に、これぞ本当の心の健康だとあっぱれでした。
かつて三波春夫さんがシベリア収容所で、飢えと寒さの限界で生死を彷徨ったときに、とにかく歌を歌おうと周りの仲間に呼びかけ、みんなで歌を歌ったのだそうです。そして、歌うことをためらい、あきらめた人達がその尊い命を落としていったという体験があったからこそ、歌の力がいかに生きる力であったかというのを痛感したのだそうです。
「おきゃくさまは神様です・・・」そのことばにはそんな思いが含まれていたのではないでしょうか。
歌う人は生き生きしているな・・・と思いました。
せっかくの発表会ですから、一人でも多くの方に聞いてほしいとばかりに、なんといつも私のライブにいらしてくださるファンのせっちゃんにまで、父はちゃっかり誘っており、その図々しさにあきれて、開いた口がふさがらないハプニングもございましたが、楽しそうな親父の笑顔に負けてしまったということなのでしょうか・・。
そして合唱の方の中には、私のコンサートにもミュージックファイルコーラスとして参加して下さった方もいらして、みなさん本当にはつらつとしてらして・・・
お金に代えられない価値ある2曲だなとつくづく思うでした。
その笑顔がある限り、どうぞ末永く歌い続けてくださいませ。74歳のおやじさま。