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在り処

「在り処」 アリカというお芝居を観て参りました。
新宿シアターミラクルというミュージカルGIFTでは
稽古場として使われていたので何度も足を運んでいる空間です。さすがに芝居小屋となったら、セットしだいでいかようにも変身してしまうのが芝居小屋マジック。
「在り処」のセットは舞台が昭和時代の母屋という雰囲気で、茶箪笥やこたつ、大きなプッシュフォンや台所の仕切りの暖簾などそれはリアルに昭和へいざなわれます。
登場人物は泥棒と老婆と学生ボランティアという3人。
ボランティアという言葉につい酔いしれて、本当に困っている人が助かっているのか・・・。
実際、被災者がボランティアの人に気を使いすぎてかえってストレスになってしまうという現実をよくききますが、そんな典型の学生さんが一人暮らしのおばあちゃんの家へ尋ねてきますが、いつも話しに聴かされていた息子さんとはじめて会います。
が、しかしその息子がなんとしばらくぶり過ぎて
すっかりわが子だと勘違いされる泥棒・・・・。
そんな奇妙な関係がなんとも絶妙な会話の中で、
人情と勘違いの愛情と偶然の心情がうまくからまって、なんともおもしくろく、切なくたんたんと流れる芝居でした。
感想は、ひとこと。
母に会いたいな・・・って、隠れて泣きたい感じでした。
親子関係が薄まってきた時代だからこそ、
この「在り処」が明日にも起こるであろう現実を見せてくれて、ハッとしました。
一緒に観劇した歯科医の先生は、「俺、今日80歳過ぎた両親に久しぶりに会ったのに憎まれ口たたいてきちゃったよ・・・」と50歳を過ぎた先生も目に涙をいっぱいためて、この芝居観てから行くんだった・・・と反省しておりました。

そんな、反省を気づかせてくれてありがとうな芝居でした。
12日までやっております。

ちなみに役者さんはミュージカルGIFTのトナカイ役の剣持さんが泥棒で、ボランティアの学生が元ウェイターズの学くんです。
関えつ子さんという老婆役の役者さんは70代でありながらはつらつとしていながらさすがなる哀愁がまたグッときまし