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ジャベールの誕生日会

役者の村井國夫さんの古希のお祝いが恵比寿のライブハウスで行われました。
それは村井さんには内緒で音無美紀子さん主催の歌声喫茶のメンバーを中心に準備がなされてきました。そしてお祝いに駆けつけた80名ほどの友人知人と役者仲間達・・・。国際フォーラムで昼、夜と二回公演で東宝のチャリティーコンサートでレ.ミゼラブルのジャベールのナンバー「スターズ」を熱唱されていらした村井さんにはNHKの取材があるからと恵比寿のライブハウスへと呼び寄せて、村井さんが到着するなり一瞬80名達は息を潜めて村井さんを出迎えました。
パッと灯りがついた瞬間拍手喝采とともにハッピーバースデーの歌を大合唱。村井さんの驚きと喜びの笑顔にみんなでサプライズ大成功の拍手へと変わりました。古希のお祝いのケーキは80人分は余裕で食べられるほどの大きさで音無美紀子さんが結婚式以来ぶりにひとくち食べさせてあげました。
決して介護ではございません・・・笑。

役者仲間の皆さんも大勢集まりました。
村井國夫さんの同期と言えば故 地井武男さんはじめ小野武彦さん、高橋長英さん、故 夏八木勲さんとイケメン5人衆です。小野さんがサックス演奏でお祝いして、ミュージカル俳優さんたちとミュージカルナンバーをご披露したり、私は美紀子たってのリクエストで「ありがとう」を村井國夫さんの役者人生の歩みをスライドショーで映しながら、歌を歌わせて頂きました。

村井國夫さんを慕う後輩役者からのメッセージも
個性豊かでありながら、役のついていない素のままの役者さんはどこかシャイでぎこちなく・・・その仕草に愛をもって駄目だしをする村井さん。
一瞬にしてパーティー会場が稽古場になったようです・・・笑。
レ・ミゼラブルのジャベール役として88年に初演を迎え千秋楽のカーテンコールで村井さんがはじめて泣いたというエピソードを「私はあの日あの時の村井さんの涙が一生忘れられない出来事です」と共演者の春風ひとみさんがお話されました。
今度はその涙のわけを奥さまの音無美紀子さんが、実はその頃が美紀子さんが乳癌から鬱病になり、一番辛く苦しい時期でもあったそうです。
村井さんは家族をなんとかせなならん・・と、はじめてのミュージカルへの挑戦、そしてジャベール役を勝ち取るための歌の特訓を何百回としてオーディションにのぞんだのだそうです。
人生の一部となっているレ・ミゼラブルのジャベールのナンバー「スターズ」。
この歌を本日はすでに2公演も歌って来ているので
今から息子の健太郎が歌いますとなりまして、
親子夢の共演となったのでした。
音痴だったという健太郎の猛特訓も村井さんのDNAをそっくりそのまま受け継いで、感動の涙を流させて頂きました。
極めは娘で女優の村井麻友美からのお手紙。
涙を堪えきれずに朗読する娘に向かって
「おいおい、そんなのは家で語ってくれよ・・」と
村井さんの照れ隠しな駄目だしも、ドラマを観ているようです。

何度となく村井國夫さんの舞台を観劇させて頂いておりますが、やはりジャベールを演じた村井國夫さんの印象は強烈でした。
レミゼというお話も役どころも含めて、切なくも憂いのあるヒールを演じさせたら天下一品の私の記憶にもしっかりと刻まれている登場人物です。
そんなジャベールが古希を迎え、
「こうして今も元気に我が儘に頑張っていられるのは全て美紀子のお陰です。」と・・・・・・はじめて素直におっしゃった村井さん!
よっ!ご両人 最高な夫婦です。
お二人を目標にうちらもがんばります。

最後に美紀子さんは「お願いだから、私よりも一日でも早く先に死んでください」
と、この落ちどこまで本気なのでございましょうか?

「ありがとう」の歌を私の歌と愛してくださる音無美紀子さんの想いは、先に逝くなんて申し訳ない・・・あなたより長生きしてお見送りしてあげることが最後の恩返しということなのでしょう・・・。

そして最後の最後は今までの村井の我が儘をどうかどうかお許しください・・。
「さ、今日ここに集まってくださったみんなにごめんなさいって、いいなさい! 俺は友だちなんかいないなんてもう言わせないからね~~!」と
心強い美紀子さんからの無茶ぶりに
村井さんは「みなさま 本当にごめんなさい~~~!」で拍手喝采 本日のお開きとなりました。

え? 美紀子さん本当はこれを言わせたかったの?
「ごめんなさい・・・」
最高の贈り物です!